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2009. 10. 18  
エリック・クラプトンの名前を知ったのは、中学2年になってロックに本格的にのめり込んだ頃だった。
今でこそハリウッド・スター並みに知名度が浸透しているクラプトンだが、70年代初頭、その名前を知っているのはクラスでも1人か2人くらいしかいなかった。

ロックの情報を得ようとすれば、ミュージック・ライフ誌を読み漁るかラジオの深夜放送を聴くくらいしかなかった当時、「ギターの神様」の名前はすでに伝説化しており、ギタリストの記事には必ず引用されていたが、ちょうど隠遁生活に入っていたためかその音楽は聴くことはできずじまいで、自分の中でもまさに伝説のギタリストとなっていた。

その姿と音楽に初めて触れたのは、NHKが不定期に放映していた『ヤング・ミュージック・ショー』での「クリーム・フェアウェル・コンサート」を観たときであった。

話には聞いていたが、3人という最小限の編成でこれ以上ないくらい高いレベルのアドリブ・プレイを延々と展開する姿を目の当たりにして圧倒された。
それからというもの、同級生の家に行っては彼が買ったばかりの『ライブ・クリーム Vol.2』を聴く日々が続いた。

「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」や「ホワイト・ルーム」などのヒット曲はもちろんのこと、クラプトンのソロが10分以上も続く「ステッピン・アウト」には本当にやられた。
それまで聴いたギタリストたちのソロは、どれも手癖による同じようなフレーズがだらだらと続くだけのもので退屈だったが、クラプトンのそれは、ピート・ブラウン(クリームの作詞家)が言っているように、まさに閃きの連続だった。

その後、自分でもクリームのベストアルバムを買い、擦り切れるほど聴きこんだ。
ギタリストのバイブル「クロスロード」に衝撃を受け、コピーを試みたのは言うまでもないが、自分がギターを弾こうと思う直接的なきっかけになったのは、実は小曲「バッジ」だった。
クリームにしては珍しくポップで3分足らずのナンバーは、クリームというよりはビートルズみたいな印象だった。
それもそのはず、クリームの解散が決まり、最後のアルバム用に曲が必要となったとき、親友ジョージ・ハリスンの助けを借りて作られた曲なのだ。

最初から聞こえるリズム・ギターはジョージが弾いており、クラプトンのギターが入ってくるのは、2番の歌が終わったあとからだ。
ブレイクでのコードアルペジオを聴いた時の何ともいえない開放感、カタルシスは今でも鮮明に蘇る。

コードのベースラインが下降するフォークやロックではよくあるアルペジオ・フレーズだけれども、中学生にはそんなことはわかるはずもなく、レスリー・スピーカー(回転式スピーカー)を通したきらびやかな音は天から降ってきたかのようで、その響きに魅了された。

ちなみに、「バッジ(Badge)」という妙なタイトルは偶然から生まれたものだ。
二人で歌詞を考えていたとき、ジョージがBridge(サビ)と書いたのを、向かい側に座っていたクラプトンが「なになに・・・Badge?」と言ったことからつけられたのだという。

現在のクラプトンは、幸せな家庭を築いて、すっかり落ち着き、歌も本当に上手くなった。
かつて自分が憧れ、思い描いていたブルースマンの理想型に近づいているのかも知れない。

けれど、私にとってのエリック・クラプトンは、ステージでストイックに、ひたすら黙々とギターを弾き続けるクリームのエリック・クラプトンなのだ。

グッバイ・クリーム 2
最後のアルバム『グッバイ・クリーム』

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クロスロード(ライブ)
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2009. 10. 11  
「愛にさよならを(Goodbye To Love)」は数あるカーペンターズのヒット曲の中では、比較的地味な存在だが、70年代のギターキッズにとっては忘れることのできない曲だ。

以前このブログでも書いたが、この曲におけるトニー・ペルーソのハードにドライヴィングするギターは、歪んでいながらも極めてメロディアスで完璧、まさにギターソロの名演だといえる。

作曲者のリチャード・カーペンターは、この曲を完成させたとき、ファズ・ギターにメロディを弾いてほしいと考えたが、そのとき頭に浮かんだのは有名なスタジオ・ミュージシャンではなく、マーク・リンゼイ(「嘆きのインディアン」のヒットで知られる)のバンドのギタリスト・トニー・ペルーソだった。
71年のカーペンターズのツアーで、マークリンゼイが前座を務めていたとき、トニーのギターを聴いたリチャードはその表現力の豊かさに感銘を受けたのだった。

非の打ち所がない完璧なソロは、当然あらかじめ練りに練ったものだと思っていたが、実は2テイクしか録られておらず、しかもほとんどファーストテイクを使ったというから驚きである。
そして、かすかに聞こえるピックの接触音、あれはどうやって出しているのだろうかとずっと不思議だったが、リチャードのインタビューによれば、トニーのアイデアで、オーヴァートーンが出るようにわざとピックを折って弾いたものだという。

あのソロがあったからこそ「愛にさよならを」が多くの人々に好かれたとリチャード自身も認めているが、その一方で「カーペンターズがハードロックに走ってしまった」という抗議の手紙も殺到したらしい。

カーペンターズの曲でギターがフィーチャーされているものは少ないが、ほとんどはトニーによるもので、常にメロディを大切にしたそのプレイは曲の一部として欠くことのできないものとなっている。
「ジャンバラヤ」での低音弦からせり上がってくるカントリータッチのギターも軽快で小気味良く、これもフェイバリット・ギター・ソロのひとつだ。

また、器用なトニーは、大ヒットアルバム『ナウ・アンド・ゼン』では流ちょうなDJも聞かせてくれている。

ギターを弾きたいと思ったきっかけになった曲はいくつかあるが、「愛にさよならを」はその思いを決定的にした特別な曲である。



愛にさよならを

愛にさよならを
愛にさよならを(ライブ)
ジャンバラヤ(ライブ)
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