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2016. 03. 14  
初めてEL&Pの名前を聞いたのは1971年、中学2年の秋だった。
その年、深夜ラジオで洋楽にとりつかれ、情報に飢えていた私は、もっとも近い都会、佐世保市の本屋で買った「ミュージック・ライフ」誌の10月号を毎日むさぼるように読んでいた。

9月に初来日を控えたレッド・ツェッペリンの直前レポートや8月にニューヨーク、マジソン・スクエア・ガーデンで開催されたバングラ・デシュのコンサートの模様を伝えるグラビアに胸を躍らせていた私を捉えたのは、今最も期待される新人グループの記事だった。

それぞれが名門グループの出身で卓越した技巧と派手なステージ・パフォーマンスであっという間にスターダムに登りつめた3人組エマーソン・レイク&パーマーは、2枚目のアルバム『タルカス』を発表し、ますます波に乗っているというような内容だったと記憶している。

髪を振り乱し、すさまじい形相で演奏する3人の姿には鬼気迫るものがあり、モノクロ写真がよけいにそれを引き立たせていた。
アルマジロとタンクが合体した奇妙で破壊的な『タルカス』のジャケットの印象は強烈で、その音楽を是非聴いてみたいという衝動に駆られた。

実際に彼らの音楽に触れたのは、一年後、3枚目のアルバム『展覧会の絵』を買ってからだ。
当時いつもつるんでいた友人は『ライブ・クリームVOL2』を買い、学校帰りに彼の家で2枚のアルバムを繰り返し聴いた。
奇しくもどちらのグループも最高のテクニックを持つトリオで、しかもライブ盤ということもあり4チャンネルのステレオで聴く迫力はすさまじく、中学生をノックアウトするのに十分だった。

キング・クリムゾンをストイックな格闘技とするなら、EL&Pはプロレスだとかねがね思っていた。
メンバーそれぞれが相当なテクニックを持ち、プログレッシヴ・ロックの代表的バンドでありながらも、その音楽は自己満足に陥ることなく、華麗で明るい。

ピアノ・コンチェルトからジャジーなオルガン・ソロまで弾きこなすエマーソンは両手で異なるキーボードを操り、オルガンにまたがり、鍵盤にナイフを突き刺す。
乾いた小気味良いスティックさばきを見せるカール・パーマーは要塞のようなドラム・セットに囲まれ、Tシャツを脱ぎながら両足でキックを打つ。
ソロでアコースティック・ギターに持ち替えたレイクは中世の吟遊詩人を思わせる幻想的な歌を聴かせる。
そして壮大な「キエフの大門」は大砲をぶっ放して終わる。
そのステージはひたすらエンターテインメントに徹している。

キース・エマーソンの突然の死を想像だにしなかった1週間前、たまたま最後の再結成ライブ『ハイ・ヴォルテージ・フェスティバル2010」を観た。
3人とも年を取り、さすがにオルガンに飛び乗ることはなかったが、華麗で楽しいステージはそのままだった。 

同級生の友人とは今でもたまに連絡を取り合う仲だ。
ジャック・ブルースが亡くなったときも2人でクリームに夢中になった昔を懐かしんだ。
彼とはまた連絡を取り合うことになるだろう。
カルピスを飲みながら『展覧会の絵』を聴いた夏の日を憶えているだろうか。

キース、たくさんの素晴らしい音楽と楽しい時間をありがとう。
Rest In Peace


keith emerson
Hoedown - Emerson, Lake & Palmer
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