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2016. 01. 11  
アメリカでは、ときどき英語圏以外の国のアーティストの曲が突然ヒット・チャートをかけ上ることがある。
古くはドメニコ・モドゥーニョの「ボラーレ」やベルギー出身の歌う尼さん スール・スーリールの「ドミニク」、坂本九の「スキヤキ」もそうだ。
無名のアーティストでも曲がよければヒットするのは、それだけアメリカの音楽市場のすそ野が広いことの表れだろう。

スペイン出身の6人組モセダデスが歌う「エレス・トゥ(Eres Tu)」もそういった曲の一つ。
1973年ユーロビジョン・ソング・コンテストで2位となり、その後アメリカでもヒットし、1974年3月には全米チャート9位まで上った。

美しいメロディ、空から聞こえてくるような澄んだ声とスペイン語の響き、歌詞は解らずとも心が洗われる気がした。

当時FENではよくかかっていたが、日本では特に紹介されることもなく、レコード店で探しても見当たらなかった。

大人になってからも中古レコード店を探し回ったが、見つけることはできず、このまま一生出会うことはできないものとあきらめていたが、ありがたいことに、今ではいろんなコンピレーションCDがリリースされていて、廃盤となった昔の曲でもたいていの曲は手に入れることができるようになった。

米ライノ・レコードのコンピレーションCD「Have a Nice Day」には70年代の全米ヒット曲が惜しげもなく収録されていて、ギャラリーの「恋するあなた」「アイ・ビリーヴ・イン・ミュージック」、ルッキング・グラスの「ブランディ」、アンディ・キムの「ロック・ミー・ジェントリー」といった長年探し求めていた曲とともに、「エレス・トゥ」も収められている。

スペイン語圏ではいまだに根強い人気を保っているというが、アメリカではその後目立ったヒットもなく、残念ながらモセダデスもいわゆる「一発屋」に分類されるのかもしれない。
だが、「エレス・トゥ」は永遠のマスターピースと呼ばれるに相応しい。

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Mocedades "Eres Tu" (Remastered Audio) HD
2015. 11. 29  
「悲しみのヒーロー」(Billy Don't Be A Hero)は、アメリカのグループ、ボ・ドナルドソン&ヘイウッズの1974年の大ヒット曲で、同年6月に全米チャート1位を記録している。

オリジナルは「ザ・ナイト・シカゴ・ダイド」(The Night Chicago Died)で知られるイギリスのグループペーパー・レースで、こちらも全英1位の大ヒットを記録したが、ヘイウッズ版のほうが圧倒的に有名だ。

軽快なマーチに乗った口笛のイントロ、その明るい曲調とはうらはらに、内容は悲しく切ない反戦歌だ。

戦場へ向かうビリーに向かって叫ぶフィアンセ
「ビリー、英雄になんてならなくていいから戻ってきて私をお嫁さんにして」
だが、彼はあえなく戦死。
彼女のもとには彼は英雄となったと書いた手紙が届けられたが、彼女はその手紙を破り捨てた。


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BILLY DON'T BE A HERO- by Bo Donaldson & the Heywoods

2015. 11. 23  
インターネット・ラジオは実に便利なものだ。
お気に入りのチャンネルに合わせておけば好きなジャンルの音楽がそれこそ一日中垂れ流しの状態で聴ける。

休日の朝、起きてすぐはモーツアルト、すこし気分が高揚してくれば60~70年代のポップスといった具合に、そのときの気分に応じてさまざまなチャンネルが用意されている。
たいていは知っている曲ばかりだが、ときには知らなかった名曲を発見することもある。

先日ヒットポップス・チャンネルを聴いていたときに流れてきたのは、「夜明けのヒッチハイク」の大ヒットで知られるイギリスのバンド、ヴァニティ・フェアの「Early In The Morning(しあわせの朝)) 」

1969年夏に本国イギリスで大ヒットし、翌70年には全米チャート12位を記録したこの曲は、日本ではクリフ・リチャードの代表曲のように思われているが、オリジナルはヴァニティ・フェアである。

クリフ・リチャードのカヴァーは1969年当時ラジオでもよく流れていて、オリコンのチャートで4位まで上昇するほどの大ヒットだったが、特にこれといった印象はなかった。

曲によってはカヴァーというフィルターを通すとオリジナル以上の感銘を受けることがあるが、今回はその逆のパターン、つまりヴァニティ・フェアのオリジナルを聴いてクリフのカヴァーの良さを知った。

マイナーで始まりサビでメジャーに転ずるのはヒットポップスの常套だが、まさにこの曲がそうで、憂鬱な夜の惑いからさわやかな朝を迎え希望を新たにするという、この歌詞にぴったりの展開だ。

シンプルでさわやかなヴァニティ・フェアのオリジナルもいいけれど、ドラマチックなイントロから始まるクリフのカヴァーは彼の歌唱力とも相まって、この曲の良さをより一層引き立たせていると思う。

ちなみに、作曲者の一人であるマイク・リーンダーはビートルズの「シーズ・リービング・ホーム」のアレンジをポールが依頼した人物であり、そのことでジョージ・マーティンが傷ついたというエピソードが残っている。

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Early In The Morning (しあわせの朝) / CLIFF RICHARD

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Vanity Fare - Early In The Morning
Vanity Fare ~ Hitchin' a Ride
2015. 10. 04  
刑事コロンボがBS-TBSで再放送される。
http://www.bs-tbs.co.jp/columbo/

今回は旧シリーズ45話と新シリーズ24話の全69話が順番どおりに放送されるということでファンにはたまらない。
以前もNHK-BSで放送されていたが、撮り忘れがあったので、今回こそは撮り逃すまいと心に決めている。

殺人事件がテーマにもかかわらず、凄惨なシーンが一切ないこと。
かつての憧れの国アメリカの上流社会が舞台という洗練された明るさ。
そして、毎回コロンボの口から提供される「カミさん」や兄弟、従兄弟たちのエピソード。
こういったものが犯人を追い詰めていく「いつものやり方」に加わえ何度観ても飽きることがない魅力を作っているのだと思う。

そして、やっぱりコロンボは吹き替えに限る。
http://moodyguitar.blog96.fc2.com/blog-entry-213.html
http://moodyguitar.blog96.fc2.com/blog-entry-156.html
http://moodyguitar.blog96.fc2.com/blog-entry-105.html

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2015. 06. 19  
最初のビートルズ体験は1965年、姉がコロムビア社製の4つ足のステレオで毎日のようにかけていた 『4人はアイドル』 を聴いたときだ。

UKオリジナル盤の『HELP』と違って、東芝の『4人はアイドル』は見開きジャケットで、中には4人のサイン入りの写真と星加ルミ子さんのライナーノーツが印刷されていて、オマケに付けられた映画のオフショットのカラーポートレートとも相まって、とてもお買い得感があった。
表ジャケはオリジナルと同じだったが、裏ジャケはバハマの砂浜で4人が並んでいる写真が使われており、当時はこっちが表と勘違いされていて、レコード店でも裏ジャケを正面に並べられていた。

当時の東芝レコードのウリであったエバークリーンレコードという赤のオデオン盤は、ホコリがつきにくい加工がされている優れもので手入れがラクで大変ありがたいものだった。

小学2年の私には、当時の大人が言っていたような「女のような髪型をしたうるさい4人組」という印象が強かったが、流れてくる音楽は子供心にもどこか新鮮だった。

映画の挿入歌で占められたA面の水準が高いのは当然であろうが、B面も劣らず佳曲ぞろいだった。
「イエスタデイ」にときめくことはなかったが、ジョンが大嫌いだったという「イッツ・オンリー・ラブ」はジョンらしい寂しげな曲調が大好きで一時期は随分ハマったものだ。 
ポールの残念な曲と言われている 「テルミー・ホワット・ユー・シー」も捨てがたい味があって大好きな曲のひとつ。
ジョージの 「ユー・ライク・ミー・トゥ・マッチ」 はA面の 「アイ・ニード・ユー」とともにジョージ特有の甘さとさわやかさが混在していてジョンとポールの曲とは一味違う魅力があり、曲作りに関しても第1作 「ドント・バザー・ミー」と比べて格段の成長がうかがえる。

このアルバムは一般的には、中期(ラバーソウル、リボルバー)への過渡期という捉え方をされているが、自分にはこのアルバムだけがどの時期にも属さない孤高の存在のように感じられる。

沈んだトーンの前作 『ビートルズ・フォー・セール』 とは明るさとアカ抜けている点で全く違うし、『ラバーソウル』『リボルバー』のような凝った音作りまでは行っていない点でいい意味で軽い。

エレクトリック・ピアノがふんだんに使用され、ボンゴやギロ、クラベスなどがラテン風味を醸し出し、サロンにいるようなリラックスした雰囲気が全編に漂っている。
4人がスタジオにあった楽器を片っぱしから持ってきて自由に楽しんで作ったように感じられるのだ。

最初に聴いたのが洗練された『4人はアイドル』だったため、後で買った米キャピトル盤『MEET THE BEATLES』は暗く重たい印象だった。
「抱きしめたい」も「オール・マイラヴィング」も「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア 」もどれも初々しさに満ち溢れて初期の勢いを伝えてはいるものの、構成は単調であり、録音のせいか演奏もヴォーカルも荒さが目立ち、「ヘルプ」や「恋のアドバイス」のような複雑なコーラスや展開の面白さを知った耳には粗野に感じられた。

ビートルズの全貌を知り、『リボルバー』や『アビイロード』の素晴らしさを知ったあとでも、たまに『4人はアイドル』をかければ、家に帰ってきたような懐かしさと安心感に包まれる。
『4人はアイドル』は特別なアルバムなのである。



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